す ず き/suzuki architects

木箱の家

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all photos by Kenta Hasegawa

 

 

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木箱の家

 

住宅の合間に埋もれるようにまち工場があり、働と住が斑に存在している街に立地する。のんびりとした空気の中にも、住宅街とは少し違う、微かな賑わいを抱きかかえているような雰囲気のある場所である。そこに、40年の長い間、地域に根ざした美容室を営むお母さんと、 執筆活動を続けるお父さん、それぞれのために、この街の縮図となるような仕事場兼住宅を設計した。

1階には美容室とその奥に着付け部屋兼お母さんの寝室を設けている。 窓を開け放てば、風が吹きぬける大きな軒下のような空間になる。 髪の毛を結いに来るだけではなく、お茶やお菓子をいただきながら、楽しいおしゃべりができる、街に開けた縁側になる。建物内部に街を積極的に取り込むことで、街並みに活気を与えることも目論んでいる。

2階には二人の生活の中間地点ともなる茶の間が配され、その奥にお父さんの執筆部屋兼寝室が設けられている。街側に突き出したテラスは、1階美容室の日除けでもあり、2階空間のプライバシーを保つ目隠しにもなる。隣地側に突き出したテラスは、隣地の庭の借景をより楽むための物見台である。1階とは逆にプライベートな空間になっている。

構造、内・外仕上げ共に木材を主に使用している。木材は1つとして、同じ顔を持つことが無い。節の有り無し、木目の有り方などのの違いが、アジワイを生む。木材の最大の魅力は、不ぞろいであることも、古くなることも、アジワイとなり個性になることだと考えている。

長く連れ添ってきた二人の生活スタイルが生み出した、とてもシンプルな平面構成を持つ木箱の家は、自然の恩恵を大いに受け、一日、一年を通して、多様な姿を現す建築になるであろう。美しさとは常に、時の流れを超えたものだけが得られるものである。そう信じている。時の流れと時代の変化の中を生き抜いてきたご夫婦のように、時の流れを美しく映し出し、時代を超えていく建築になってほしい。

 

意匠設計 : 鈴木宏亮+山村尚子/ す ず き

構造設計 : 大川誠治

建設会社 : ホームビルダー株式会社