す ず き/suzuki architects

植栽のこと


こんにちは。山村尚子です。設計中の案件で、敷地内にある植栽の剪定・移植・伐根を行いました。元々、植わっていた樹木が立派で、素晴らしいのですが、枝・葉の密度が高くなりすぎており、それぞれが少し窮屈になっていたためです。重い雰囲気から軽やかな空気感をまとい、計画している建物内に、程よい光を導いてくれそうな雰囲気にガラリと変わり、驚きました!今回、ブロカント(web⇒http://brocante-jp.biz/)さんに、植栽の計画に関わっていただいています。ランドスケープも建築設計に関わってくることなので、私たちでもある程度のことまでは考えるのですが、植わっている樹を生かしたり、少し大掛かりに雰囲気を変えていったりすることを考える場合には、植栽に精通した方に関わっていただくようにしています。特に植物は、成長過程を見守りながら、目指すべき雰囲気ができあがるのに、数年かかります。その数年後を見据えて、今現在どうしておくべきか。ということを判断するには、知識と経験がものすごく必要なことです。剪定作業をしてくださった職人さんが、言っていました。「樹を理解して樹がのびたい方向に動けるようにしてあげている。そのためには、樹を愛してあげることがとても大切。」なんだそうです。思わず、弟子入りしてみたい。と思ってしまいました(笑

建物も、植物ほどではないかもしれませんが、建物ができて完成。ではなく、住まい手に寄り添うように成長した先の数年後が本当の意味での完成。になるのではないかと思っています。建物と長く連れ添うことを考え、その上で、じっくり考えながら設計していくことはとても重要なことだと考えています。

※写真は、剪定したモッコクとナンテンの枝をもらってきたものです。水にさしておくと、グイグイ水を吸い上げ、かなり長持ちします。枝の下はあんずのお気に入りの場所です。